取扱い作家・作品名など

5周年謝恩特別陳列会

➀麻生三郎「果実」

1913ー2000、水彩、紙/31.5×24.3㎝ 230,000円⇒160,000円

松本竣介、靉光、寺田政明らとともに池袋モンパルナスの代表画家の一人。戦中に妻や子供の親密感のある絵を数多く残した。戦後は自由美術協会に加わり、戦争の惨禍の記憶を刻むように、黒や灰色におおわれた画面に震えるような筆致で、体温の熱や温かみを感じさせる人物などを描き続けた。大阪フォルム画廊シール。

②淺野勝美「海の宝石 陸の宝石」

1958-、銅板、紙/35.2×25.3㎝、限定30部 65,000円⇒45,000円

兵庫県西宮市生。アトリエ凹凸で銅版画を修得。1989年の「詩とメルヘン」イラストコンクールで最優秀作品賞を受賞。南天荘画廊などで個展。新潮社文庫版シェークスピア作品など、装丁画も数多く手掛けた。これは初期の銅版画作品。

③青山熊治「作品(静物)」

1886-1932、油彩、カンバス/F4号 150,000円⇒110,000円

明治43年白馬会展で白馬会賞をとるなど、描写力が高評価され将来を嘱望された。大正3年から11年まで渡欧。昭和7年46歳の若さで病没した。

 

④荒井龍男「とうもろこし」

1905-1955、油彩、カンバス/21.6×26.0㎝ 250,000円⇒150,000円

昭和9年から11年まで滞仏。12年自由美術協会会員。同会の山口薫にも特徴的なバックの日本的な朱色が美しい。後年渡米し活躍。

⑤今西中通「静物(室内)」

1908-1947、コンテ・パステル、紙/19.5×21.5㎝ 120,000円⇒80,000円

昭和10年、独立展でⅮ氏賞を受賞。フォービズムからキュビズムへと画風を過激に変遷させた。遺稿の「好んで入り込んだ道ではあったが~」は哀切あふれる。クラシックギターやポット、目覚まし時計、トルソーなど、当時の最新流行のものなどを集めてモダン派風に描いたもの。

⑥今西中通「雪景色」

1908-1947、油彩、紙/26.8×36.5㎝ 150,000円⇒120,000円

昭和5年に一九三〇年協会展入選。高知から上京して、カフェで働いていたフサを数多く描いた。そのフォーブ時代の雪景色で空の垂れこめた青や地上の雪の白が鮮烈。

⑦今西中通「裸婦」

1908-1947、ガッシュ、紙/26.5×19.2㎝ 360,000円⇒250,000円  

画面右下に「35.6」の年記。1934~35年にかけてキュビズム研究として裸婦や静物をデッサンしており、その追求の一到達点と言えるもの。紙裏にも花を題材としたドローイングが描かれている。「今西中通展」(高知県立郷土文化会館 1972年)出品作。

⑧織田廣喜「街の人々」

 1914-2012、油彩、カンバス/SM 60,000円⇒50,000円

若い頃に林忠彦が撮った織田と妻リラの貧しくも生命感にあふれた生活の写真が有名。60年に初渡仏し精力的にパリの街並みや人々を描いた。初期のものに特有のユニークな人物造型が魅力。

⑨小山田二郎「老天使」

1914-1991、油彩、カンバス/F4号 150,000円⇒110,000円    

中国生まれ。戦後、自由美術協会会員。独自の強烈な幻想性、攻撃性の強い作風で、美しい色彩の水彩画、油絵を残した。樹の精のような、眼のようなものと老いた天使との組み合わせ。

⑩片多徳郎「静物」

1889ー1934、油彩、カンバス/F3号 135,000円⇒95,000円 

萬鉄五郎らと同時代に活躍したが、アルコール依存がたたり昭和9年に44歳の若さで没した。死の2年前の1932年作。鑑定依頼への返書に、子息の草吉氏は「禁酒のため10回近く入退院(青山赤十字病院で)を繰り返しており、病院の部屋をアトリエ代りに静物・人物等を制作しておりました」とし、この絵はその中の一作としている。草吉氏の返書付き。

⑪川端実「形象」

 1911ー2001、油彩、カンバス/F10号 240,000円⇒200,000円

戦後、フォービズムやキュビズムの影響を受け独自の抽象表現主義的な作風を展開。1958年に渡米し、グッゲンハイム国際展出品などで注目され、画廊での個展も評判を呼び、米国で岡田謙三らとともにいちはやく認められた。主にニューヨークで35年間活動し続けた。人間的な温かみとそこはかとないユーモアも漂う抽象作品。なお、米国発の抽象表現主義は1940~50年代に世界を席巻した。

 

⑫黒田重太郎「湖畔夏景」

1887-1970、油彩、カンバス/F4号 125,000円⇒75,000円

慶応義塾普通部を中退し、鹿子木孟郎に師事。関西美術院で浅井忠に学ぶ。大正7~8年、10~12年と2回渡仏。13年小出楢重らと信濃橋洋画研究所を設立した。不遇時代に「母子像」のモデルとなった妻雅(大正15年)と息子真之介を相次いで亡くした。故郷琵琶湖岸浜大津のヨットがもやう夏景色を、陽光輝く色彩で描いた昭和29年作。

⑬鬼頭曄「鳳凰鳥」

1925-1994、鉛筆・グワッシュ、紙/26×38㎝ 55,000円⇒45,000円

東京美術学校日本画科卒。52年から在仏17年。自由美術協会に属した。明るいパステル調だが、線描が狂おしく走りなにか物悲しい。

⑭倉田白羊「夏の渓谷橋」

1881-1938、油彩、板/20×23㎝ 170,000円⇒130,000円

大正11年春陽会創立会員。山本鼎の農民美術運動に参加するため、長野県上田市に入る。信州の身近な緑と土と山の風景をみずみずしい色彩で数多く描いた。

⑮小絲源太郎「修善寺風景」

1887-1978、油彩、カンバス/F4号 550,000円⇒350,000円

白馬会駒込研究所で藤島武二に学ぶ。桂川の川底から湧く、弘法大師由来の独鈷(とっこ)の湯などの修善寺の町並みを、独特の色使いで描いている。

⑯児島善三郎「フランスの田舎」

1893-1962、油彩、板/F4号 300,000円   

1924年(大正13年)から28年まで5年間にわたり滞仏した。彼の地では「立てるソニヤ」などの初期の代表作を描いているが、これはフランスの田舎ののどかな光景を描いた。手前へ小さく白服の女性が歩いてくる。1925年頃の作品。

⑰佐々木精治郎「裸婦」

1885-1971、パステル、紙/99.7×73.5㎝、額付き 270,000円⇒220,000円

岩手県生。1905年(明治38年)渡米し、ロサンゼルス美術学校を経て、ニューヨークのアート・スチューデンツ・リーグに学ぶ。帰国後、1927年に渡欧し、28年に日本美術大展覧会に、29年にパリ一回展に風景画や裸婦を出品した。33年に日動画廊でパステル画展。

⑱佐分真「スペイントレドアルカンタラ橋」

1898ー1936、油彩、板/F3号 510,000円⇒430,000円

昭和3年に渡仏、5年に渡欧し、ドランなどの影響を受ける。帝展特選を重ね美しい深みのあるマチエール、色彩で知られた。代表作は「貧しきキャフェの一隅」。11年に東京のアトリエで自殺。渡欧時にスペインの有名な城(アルカサル)と橋を描いたもの。

⑲下郷羊雄「河岸風景」

1907-1981、油彩、板/20.5×25㎝ 100,000円⇒80,000円

昭和12年(1937年)、ナゴヤ・アヴァンギャルド・クラブを結成。シュルレアリスム絵画作品を描き、名古屋のモダニズムを主導した。その後前衛写真に転じた。

⑳白瀧幾之助「花」

1873ー1960、油彩、板/21.3×27.0㎝ 220,000円⇒130,000円

白馬会系の有力画家で、山本芳翠、黒田清輝に師事。東京美術学校卒業の年に24歳で白馬会展に出品した「稽古」で脚光を浴びた。1903年(明治36年)米国に渡り、英ロンドン、仏パリを巡り、11年帰国した。夜のケシのような妖しい絵で、浪漫主義が色濃い。東京美術倶楽部鑑定付き。

㉑鈴木信太郎「人形」

1895-1989、油彩、カンバス/0号 360,000円⇒240,000円

明治28年東京生まれ。白馬会溜池洋画研究所に学ぶ。大正15年に二科会展で樗牛賞。戦後、野間仁根らと一陽会を結成。生粋のカラリストで、アンチームな(親密感のある)風景画や花の絵を数多く残した。人形ながら頬は赤みを帯び唇は赤く、生きているような愛すべき小品。

㉒清宮質文「街はずれ」

1917-1991、油彩、ガラス/12.0×19.6㎝ 1,600,000円

東京都生。東京美術学校卒。美術教師や商業デザイン会社勤務を経て戦後画家に。木版画だが、一点一点色や刷りを変える独自の手法で描いた。「内面の世界を拡げることは無限に可能」との言葉を残し、木版画の詩人と呼ばれた。1965年作のガラス絵。

㉓高畠達四郎「海の見える丘」

1895-1976、油彩、板/P3号  120,000円⇒80,000円

1921年(大正10年)から28年まで滞仏し、藤田嗣治らと交友した。しみじみとした生活の情感が漂う戦後の「暮色」などで有名だが、これは若い頃の滞欧作。

㉔寺内萬治郎「裸婦」

1890ー1964、パステル、木炭、紙/46.0×33.7㎝ 255,000円⇒190,000円

大正14年、帝展で「裸婦」が特選。終始一貫して裸婦、女性像を描き続け、優れた対象把握力が高く評価された。女性を左膝を抱えた量感のあるフォルムとしてとらえており、愁いを含んだ顔の表情や赤茶色の背景も印象的。東美鑑定付き。

㉕津高和一「熱気」

1911ー1995、油彩、板/14×18㎝ 485,000円⇒370,000円

1950年代以降、具象から独自の詩情にあふれた抽象に転じた。西宮市生。16歳で詩を書き始め、戦前は「神戸詩人」に作品を発表。1960年のニューヨーク・グッゲンハイム賞美術展出品など内外で高評価を得た。小品ながら、珍しい抽象初期の1958年作。

㉖鳥海青児「東大正門前」

1902-1972、油彩、カンバスを板に貼付/31.0×37.0㎝ 180,000円⇒140,000円

大正15年(1926年)24歳の時に上京し、横堀角次郎のあっせんで本郷森川町の東大正門前の下宿太平館に入る。その目の前の正門を描いたもの。横堀の子息の辰義氏の識(書面)があり「鳥海氏の作品と思うが~」とある。鳥海の大正15年作「芦屋風景」が「チューブから絞り出したものをそのままの白の使い方」と言われたが、この作品でも同様な白の扱い方がなされている。「灰っぽい茶と緑に独特な滋味をもった色調の人」(足立源一郎)との当時の評もこの作品に共通している。

 

㉗寺田政明「花」

油彩、カンバス/F3号 45,000円⇒30,000円

独特の赤を主調としたよく知られた花シリーズの小品。昭和20年作。

㉘東郷青児「女性像(春)」

1897-1978、エッチング、紙/35.5×28.7㎝ 55,000円⇒35,000円

大正8年から昭和3年まで滞払。初期のキュビズムなどの前衛の作風から、戦後はいわゆる青児スタイルの女性像に転じた。美しいブルーが若々しさを感じさせる比較的初期の版画作品。

㉙アンドレ・ドラン「女性像」

1880-1954、水彩、ボードに水彩画貼付/23.3×34.4㎝ 195,000円⇒140,000円

1905年から6年にかけて、マチスやブラマンクらと赤や青の直接的な純粋色の絵画を描き、フォービズムの誕生では中心的な役割を果たす。その後の主流のピカソやブラックらのキュビズム、抽象絵画の方向には進まず、灰色、茶色、銀ねず色の独自の新古典主義的な画風を開拓。20~30年代に世評が高く、横山潤之助ら強い影響を受けた渡欧日本人画家も多い。日動画廊シール。

㉚中筋幹彦「静物」

1925-1956、油彩、ボード/27×17.5㎝ 240,000円⇒150,000円

大阪生。東大中退。森芳雄と親交し、自由美術協会会員となったが、翌年30歳の若さで死んだ。遺作展が銀座サエグサ画廊で遺作10余点により開かれた。確信的な強い筆勢で、静物画でありながらシュールで表現主義的な雰囲気が漂う。

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